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世界最高峰のプロサッカーリーグと言われるイングランド・プレミアリーグ。そんなプレミアリーグにユニホームが酷似している3クラブがあることをご存知でしょうか。フットボール好きなら1度は疑問を抱いたことがあると思います。
バーミンガムをホームタウンとするアストン・ヴィラFC。ランカシャー州バーンリーをホームタウンとするバーンリーFC。そして2クラブ目はロンドン東部をホームタウンとするウェストハム・ユナイテッドFC。
この3クラブに共通するのがクラブカラー。ワインレッドと水色の組み合わせで、この色を見るといずれかのクラブを思い浮かべる方も少なく無いはず。
話は戻りますが、同じクラブカラーの3クラブには一体どんな歴史があるのでしょうか。先に結論から述べるとアストン・ヴィラが最初にこのカラーリングを採用したと言われています。遡ること148年前にアストン・ヴィラFCは創設されます。プレミアリーグとしては2番目に古い歴史のある古豪クラブです。実際にこのカラーリングを採用したのは1888年で、このクラブカラーに変更してから様々なタイトルを獲得しました。リーグとFAカップでそれぞれ優勝7回、1981-82シーズンに欧州制覇の経験もあります。
そして1910年、バーンリーがアストン・ヴィラのクラブカラーを故意に盗作したそうです。これはイングランドのヨーク大学の歴史学者デビッド・クレイトンの著書”Burnley FC Miscellany”という本に綴られています。
当時逆境の時期を経験していたバーンリーはアストン・ヴィラの誇り高いクラブカラーを使用し、1914年にFAカップ優勝、1921年にはリーグ優勝を成し遂げます。それから何度かカラーを変更しましたが、最終的にワインレッドに落ち着き、現在も使用しております。
他の2クラブと違う点はクラブカラーをワインレッドのみで謳っています。そのためWikipediaにもクラブカラーはワインレッドのみの表記です。日本ではワインレッドという色が聞き馴染み深いですが、現地では【claret (クラレット)】と言われており、”The Clarets”の愛称で呼ばれています。
そして最後にワインレッドと水色のユニフォームを採用したのがウェストハム。その歴史は1897年に始まります。諸説ありますが、強豪のアストン・ヴィラを真似たとか、ある選手がアストン・ヴィラの選手に徒競走で勝ちユニフォームを貰ったことが起源だとの逸話もあります。クラブが当時関係を持っていたテムズ鉄工所の会社の名前をクラレットに変更したという歴史もあるそうです。
ちなみにフレッドペリーの名作ポロシャツ「M12」で使われている”WHITE / ICE / MAROON”というカラーリングはウェストハムのクラブカラーを採用しています。1960年代、フットボールファンは地元のスポーツショップにクラブカラーのポロシャツを求めるようになります。そういった声から生まれたのがこのカラーリングのポロシャツ。唯一無二のこの配色に惹かれますね。
ウェストハムのかつての本拠地ブーリン・グラウンドがあった場所のすぐ近くにあるアイコン的カフェ”ケンズ・カフェ”では2018年、ホワイト/アイス/マルーンの波乱万丈な歴史を祝福すべく、カラーテイクオーバーを実施しました。外観のみならず店内も3色で埋め尽くされたこの空間。夫婦で営むこのカフェは毎週末、サポーターがスタジアム行きのバスに乗る前に、紅茶とベーコン・サンドイッチを求め列をなしているそうです。1度は訪れてみたいですね。
今回はフットボールのみならずFred Perryなどのブランドにも影響を与えたイギリスの歴史をお送りしました。
00's Aston Villa FC Training Pants
ちなみにアストン・ヴィラのトレーニングパンツを先程オンラインにアップしました。こちらは00年代の比較的新しいモデルですが、クラブの歴史を知った上で履いてみるとまた違ったファッションの楽しみ方ができるんでは無いでしょうか。ぜひご検討下さい。