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, by 川崎修平 The Acid House
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, by 川崎修平 Professional Pickpockets
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, by 川崎修平 The Beautiful Game
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, by 川崎修平 Attack on Wembley
お久しぶりです。帰り道は少し肌寒く感じる季節がやっと来たように感じて嬉しく思います。「夜は冷える」という言葉を人生で何度口にしたことか。夜の気温を想像してジャケットを選ぶ時間も結構好きです。まだ季節的には早いですが、マフラーも店頭に少量並べているので是非。
前節はアーセナルとシティの天王山がありましたが、試合終了ギリギリに追いつくあたりはやはり王者の強さを感じましたが、10人でも状況に応じたサッカーを全員が貫くアーセナルの選手の姿には今季の期待が膨らみました。そしてカラフィオーリのスーパーゴラッソと計算し尽くされたセットプレーには痺れました。
そういやフラムに旅立ったスミス・ロウとネルソンがゴールを決めていて微笑ましかったです。新作のFC25を買った暁には監督キャリアモードでフラム使っちゃいそうです。市場価値をこれでもかと上げてアーセナルに売り戻したいものです。
そんなこんなで久しぶりにTSUTAYAに行った時にずっと観たかった"アシッドハウス"のDVDがあったのでそちらをご紹介します。「トレインスポッティング」の原作者であるアーヴィン・ウェルシュの短編作品を集約した全3話のオムニバスとなっています。世にも奇妙な物語とかを想像してもらったら分かりやすいかもしれません。タイトル通りのドラッグムービーですが、コメディ要素も多くて観やすかった印象です。
映画は全編においてイギリス労働者階級の若者たちを描いた内容。どうしようもない奴らばっかり出てきてボーッと観れるような映画なので内容重視の方にはあまりオススメしません。しかし、ドラッグの描写だったり音楽に関しては本当に最高です。ここでケミカル・ブラザーズ流れてきたら最高っていうタイミングで流れたりします。
1話目はスコットランド3部のサッカー選手がクビになったことを皮切りに家族や恋人に見捨てられ、仕事までもリストラになっては最終的に逮捕される男の目の前に神が現れるという話。文字でだけ観たらなんだこの内容って感じですね。その先はネタバレになるので言いませんが、もっと想像つかない感じになります。
しかし、神が主人公のボブにパブで訴えかけるシーンは何か響くものがあります。自分に言われているようなそんな感覚になるほど人生の本質を語っていて、ジーンと来ましたね。
さすがにスコットランド3部ってこんな環境じゃないでしょっていう設定で、スパイクではなくガッツレー履いてるやつもいました。でもこの毒々しいユニフォームがなんか良くて印象的です。この配色のスウェットかロンTとか作ったら面白そうとか思ってます。
2話目は内容的にはしんどいやつですね。もしこのDVDを買っても2話目は観ない気がします。酔った勢いから出会った男女の間に授かった子供をきっかけに結婚したのはいいものの、同じアパートに引っ越してきたラリーという男のせいで無茶苦茶になっていくという話です。ちなみにタイトルは"A soft touch"(カモ)です。
ただこのクズ男のラリーのファッションがなんかかっこいいんですよね。金髪坊主でタンクトップにadidasのアディブレイクパンツ。このパンツを着こなす人をあんまり目にしたことがないので新しい発見でした。なんなら自分も1本欲しい。いかにもイギリスのヤンチャなやつって感じの身なりですが、着飾ってないクールな感じが個人的に結構ツボでした。
とりあえず2話は人間の醜いところが詰まった胸糞悪い内容ですが、ところどころに希望の光を感じる瞬間を受け止めて欲しいです。自分にはウシジマくんのシーズン3を観ているような感じがしてちょっとしんどかったです。ただ、結婚パーティーのシーンも、ラリーが部屋で踊りながら身なりを整えるシーンもどちらも最高なのでその辺にも是非注目して観てください。
そして3話目は表題作の"The Acid House"です。やっぱりトレインスポッティングのスパッドが主演ってだけでこの3話に全部持って行かれた感じがします。とにかく内容も描写もダントツでぶっ飛んでいました。
主人公のココが結婚を迫られる彼女とデートをしている最中にLSDを食べて様子がおかしくなり、落雷を受けて胎児と入れ替わってしまうというまさにファンタジーな内容の作品。
3話は特に音楽を上手く使用した音ハメがとにかく気持ち良い。これもドラッグムービーならではと思いますが、これまで観た映画の中でもここの部分はよりこだわりが見える作品な気がします。定期的にボーッと観たくなるやつです。
ただやっぱりどう観てもトレインスポッティングのスパッドにしか見えないくらい彼のイメージが強かったんですが、観ていく中でココのファッションにどんどんと惹かれていく自分がいました。
カラフルでポップな色使いを多用しつつも絶妙なバランスで彼のスタイルになっていくあの感じ。年代的にもブリットポップの雰囲気も感じます。きっと観た後にはFILAやellesse、Sergio Tacchiniのようなイタリアのスポーツブランドが着たくなるんじゃないでしょうか。あとはFred Perryも忘れてはいけません。
ココだけでなく映画全体を観ても色んなシーンでトラックトップなどのスポーティーなアイテムをスタイリングに取り入れていて、まさに90年代のイギリスの日常的なファッションを味わえるかと思います。あの着飾ってないくらいの雰囲気が自分には堪りません。なんなら一周回って今っぽかったりします。
あとはイギリス映画って絶対フットボールがどこかに垣間見えますね。ココもフットボールが大好きなんですが、彼女に「フットボールなんて子供の趣味よ」と言われていたシーンが印象的でした。本場の国でもそういう偏見とかってあるんだなって。国民全員がフットボールを愛しているとは決して思っていませんが、やはり歳を重ねて子供心が薄まっていく中で、純粋に楽しく生きたい人とすれ違っていくことは自分ごとのように感じて色々と考えさせられます。
総括としてはやっぱり内容を考えるとくだらないバカな映画なのは間違いないです。ただ、撮り方だったり音楽の使い方、ファッションなど一々オシャレだったりして、映像作品としては本当にかっこいい。そんな絶妙なバランスがあってこそのこの年代のイギリス映画ですね。やっぱり自分はこういう映画が大好きだなった改めて思いました。