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WHAT ARE FOOTBALL CASUALS?

WHAT ARE FOOTBALL CASUALS?

お久しぶりです。気温もグッと上がり、過ごしやすい気候になってきたと肌で感じます。なかなかブログも更新できていませんでしたが、今年は店として色々と動きのある年になりそうなので期待していただけたらと思います。

最近ではチームウェア以外の古着にも注目していただいている方がちらほらと増えてきたように感じます。とても嬉しい。よく勘違いされますが、あくまでウチは古着屋です。サッカーショップでもスポーツショップでもなんでもありません。しかしサッカーが好きなことに違いはありません。 

そんなサッカーはウチで取り扱う商品のセレクトにおける重要な要素であり、ほぼ全ての商品がフットボールカルチャーを紐解いてセレクトしています。店頭でもお尋ねいただいた方には説明しているんですが、「なんでこんなブランド置いてんの?」とか疑問を抱いていた方にも、よりウチでの買い物を楽しんでいただけたらと今回はそんな現在進行形の英国のサブカルチャー"Football Casual(フットボールカジュアル)"をご紹介します。

そもそもフットボールサポーターを指す言葉にウルトラスやフーリガン、カジュアルズといったものがあります。ウルトラスとは熱狂的なサポーターグループを指す言葉で、スタジアム内外で雰囲気を作り出すサポーターのことです。そしてフーリガンとはクラブのために暴力を好む過激なサポーターです。

そして今回ご紹介するフットボールカジュアルとは服装によってそれほど熱狂的ではないサポーターとの区別をするサポーターから生まれたサブカルチャーです。

遡ること1970年代後半、リバプールとエバートンのサポーターが、1977年のヨーロピアンカップ(現在のUEFAチャンピオンズリーグ)準々決勝でフランスのサンテティエンヌと対戦したリバプールを追った際に持ち帰ったヨーロッパのファッションをイングランド全土に紹介した後に始まりました。ヨーロッパ本土に降り立った彼らは自国では手に入らないイタリアやフランスのデザイナーによる高価なスポーツウェアなどをイングランドに持ち帰り、そこから他クラブのサポーターもそれらのブランドへの関心が高まるようになりました。

ちょうどこのあたりのカジュアルズシーンを描いた映画"Awaydays"についても過去にブログでご紹介しているので興味のある方は是非。

https://pelsivestore.com/blogs/blog/this-history-of-the-football-casual

主なブランドとしてLACOSTESergio Tacchiniellesseadidasのスニーカーなどが挙げられます。

当時の警察はドクターマーチンのブーツを履いたスキンズのファンを警戒しており、高価な服を着たカジュアルズには注意を払っていませんでした。

1980年代では、PringleBurberryFILAStone IslandC.P.CompanyC.P. CompanyHenri-LloydBen ShermanFred PerryKappaRalph LaurenFruit of the Loomなどのブランドが新たに加えられました。このあたりからヨーロッパのみにとどまらずアメリカからも取り入れていることが分かります。ファッションのトレンドは目まぐるしく変化し、1980年代後半にはカジュアルサブカルチャーはピークを迎えます。

しかし、政府による暴力の取り締まりとアシッドハウスやレイヴ、マッドチェスターシーンの登場によりカジュアルサブカルチャーの暴力性は消え去りました。お互いがエクスタシーに陥っているときに誰かを殴りたくなるのは難しいでしょう。

1990年代半ばにカジュアルサブカルチャーが再びスポットを浴びるようになりますが、フットボールカジュアルのスタイルは少し変化します。彼らはこのカジュアルなスタイルをユニフォームの一種とし、他クラブのサポーターとの差別化を図りました。特に人気だったブランドとしてStone IslandAquascutumBurberryLACOSTEPradaMAHARISHIなどが挙げられます。

ちょうどこの頃に以前にもブログでご紹介したブリットポップブームが巻き起こり、ブリットポップ戦争ではadidasのアノラックを着た北部の労働者階級のOasisのギャラガー兄弟とモッズ復活主義者でトラックスーツを着た南部の中産階級のBlurが対峙しました。

https://pelsivestore.com/blogs/blog/a-history-of-britpop

2000年代に入ってもStone Islandを着続けたカジュアルズもいますが、ほとんどはスタジアムに入る際に警備の目を掻い潜れるようにStone Islandの代名詞とも言えるコンパスロゴのパッチは取り外しています。しかし、ボタンが2つ付いているために詳しい警察には無意味だとか。これはスタジアム以外のパブなどでもカジュアルズと一目で分かるファッションをしている者は出入り禁止にしている店も多いそうです。

2000年代ではFaçonnableHugo BossFake London GeniusOne True SaxonMaharishiMandarina Duck6876Dupeなどのこれまでになかった新しいブランドが人気を出し始めます。

なんと言っても2000年代にはカジュアルズにフォーカスを当てた映画が多く公開されています。有名なもので"ID"、"The Firm"、"The Football Factory"、"Green Street(Hooligans)"などがあり、The Football Factoryは過去にブログでもご紹介しているので興味があれば是非。

https://pelsivestore.com/blogs/blog/the-football-factory

ということでここからは主要ブランドをいくつかご紹介します。

 

 

Stone Island

フットボールカジュアルの中で最も有名なアパレルブランドと言えるでしょう。イタリア・ボローニャ出身のマッシモ・オスティによって1982年に設立されました。90年代のカジュアルシーンで特に人気を誇っており、その頑丈なデザイン、耐久性に優れた生地、高品質の仕上げにより喧嘩をするのに最適と言われていたとか。しかし現在では人気の上昇による飽和状態にあり、カジュアルズのエリートの間では急速に地位を失いつつあるそうです。

 

C.P. Company

Stone Islandと同様にマッシモ・オスティによって1971年に設立されたブランド。Stone Islandよりも少し知名度が低いことから「本物のカジュアルブランド」として位置付けられることもあります。

 

Napapijri

読解が難しいこのブランドはNapapijri(ナパピリ)です。ノルウェーの国旗のマークが有名なこのブランドですが、実際には上記2ブランド同様にイタリアのブランドです。20世紀初頭にノルウェーから偉大な探検家が多数輩出していることに由来するそうです。中でも定番なアノラックの "レインフォレスト"はブランドを象徴とするアイコニックなアイテムです。

 

LACOSTE

フランスのスターテニスプレイヤーであるルネ・ラコステによって1933年に設立されたスポーツブランド。1970年代後半からジャンルの垣根を越えてフットボールカジュアルの起源から続く重要なブランドです。特にセーターやニット、ポロシャツなどが人気です。

 

Ellesse

Ellesseはテニスをルーツとしたイタリア生まれのスポーツウェアブランド。英国のカジュアルカルチャーを取り入れた代表的なカジュアルブランドです。過去にはトラックスーツの人気が高かったようですが、近年ではTシャツやジャケットを好む人が多いようです。ヨーロッパでEllesseはまだフットボールサポーターを席巻していませんが、ベルギーやドイツの近隣諸国では多くのサポーターに着用されています。

 

Fred Perry

LACOSTEと同様にFred Perryもフレデリック・ジョン・ペリーというテニスプレイヤーによって設立されました。Stone IslandやC.P. Companyとは違ってイギリス発祥のブランドということもあり、イギリスのカジュアルズシーンでは真のクラシックブランドとも言われます。代名詞のポロシャツは人気が高く、定番のM12に関してはウェストハムサポーターの熱望から水色のエンジのラインのポロシャツが生産され、現在でも定番として並べられています。その人気はカジュアルズのみならず英国のユースサブカルチャーに絶大な人気と影響を与えてきました。

 

Sergio Tacchini

こちらもテニスプレイヤーが設立したスポーツブランド。当時テニスウェアは白のウェアがほとんどだったのに対して、エレガントなテニスウェアを制作するためにカラフルな生地を使用するというアイデアを用いて人気を博しました。ヨーロッパの高級スポーツウェアへの関心が根付き始めた80年代のイギリスフットボールカジュアルシーンですぐにファッショナブルなブランドとなりました。

 

adidas

世界最大のスポーツブランドの1つであるこのブランド。adidasに関しては主にスニーカーが有名です。限定品なんかを自国に持ち帰って見せつけるというのもフットボールカジュアルならではの文化で面白いんですよね。特に有名なモデルとして知られるのはSambaTrimm TrabMünchenStan SmithSL72ItaliaGazelleForest Hillsです。

 

Burberry

最も典型的なカジュアルブランドと言われるのがみなさんお馴染みBurberry。それにもかかわらずヨーロッパ全土ではあまり人気がないようです。しかしイングランドではグループに1人はバーバリーのスカーフやキャップを身に付ける者がいるとか。他のヨーロッパ諸国では「本物のカジュアルズ」だけが着ていると言われています。

 

Aquascutum

防水加工を施したウール生地を初めて作り出したブランドとしても有名であり、そんな経緯から「水の盾」を意味するラテン語のAquascutum(アクアスキュータム)をブランド名にしたそうです。ブラウンとブルーのチェックはBurberryと同様に人気が高く、口元を隠すスカーフはスタジアムにバレずに入る意味でも必須品として使用されます。

 

MAHARISHI

ロンドンでミリタリーコレクターとして知られているハーディ・ブレックマンが1994年にスタートさせたブランド。自然保護の活動家でもあるデザイナーのポリシーが存分にデザイン及び使用素材に盛り込まれた世界最高峰のストリートカルチャーウェアレーベルです。機能素材を使った細かなディティールをシンプルに仕上げるそのデザインが幅広い層に支持を集めています。最近ではアーセナルとコラボもしていましたね。

 

Henri-Lloyd

丈夫なセーリングウェアを求めるヨットマンや船員に応えるために、1963年にマンチェスターで設立されました。フットボールカジュアル シーンには 90年代に注目を集めるようになりました。これは他のスポーツにルーツを持つスタイリッシュなブランドを求めるフットボールサポーターが増えたためだそうです。

 

FILA

非常に馴染み深いブランドですが、フットボールカジュアルにおける真のクラシックブランドの1つです。 特にトラックトップやポロシャツはフットボールカジュアルシーンでは絶大な人気を誇っていました。しかし他社へのライセンス供与などにより地位は下がりつつあるそうです。 

 

Pringle

カシミアニットウェアを専門とする王室御用達のスコットランドの象徴的なニットメーカーです。主にゴルフウェアとしてブランドを発展させ、1970年代から1980年代のフットボールカジュアルでの人気が最高潮に達していました。

 

Lyle & Scott

こちらもスコットランドのブランドであり、Pringleと同様にゴルフウェアを通じてその伝統を発展してきました。比較的安価なのでお金に余裕の無い若いカジュアルズに人気です。とはいえ年配の層にももちろん高く評価されています。

 

One True Saxon

1998年にポール・スミスの元従業員数名によって設立されたファッションブランド。イングランドの中心であるノッティンガムに拠点を置く彼らの服装は、英国らしさの愛国心を誇りとし、英国そのもののマインドを取り入れたものでした。カジュアルズからはデザインのシンプルさと高品質で耐久性のある生地に高く評価をしています。

  

Ben Sherman

Ben Shermanはモッズカルチャーの基礎ブランドであり、その後カジュアルサブカルチャーに浸透していきました。モッズ、スキンヘッズ、スウェードヘッズのファッションの定番となった有名なオックスフォードボタンダウンシャツを製造した最初のブランドとしても有名です。

 

Paul & Shark

1921年にイタリアで設立されたこのブランドは1977年にメンズスポーツウェアラインが誕生し、以来フットボールカジュアルシーンで人気のブランドとなりました。現在ではあまりスタジアムでは見かけなくなりましたが、かつては真のクラシックブランドであり、多くのカジュアルズから愛されていました。

 

FJALL RAVEN

FJALL RAVENは1950年に設立されたスウェーデンのアウトドアブランド。直訳すると「北極ギツネ」という意で、北極を生き延びる北極ギツネのように機能性の高いアウトドアギアを作っていこうとキツネをモチーフにしたそうです。日本ではカンケンバッグをよく見かけるこのブランドですが、1990年代にフットボールカジュアルシーンで人気になりました。寒い雨の週末や屋根のないスタジアムに最適です。

 

Victorinox

スイスの若い刃物職人が自身でビジネスを始め、後にはスイス軍に兵士用ナイフを供給していました。アパレルは2000年ごろから開始しており、フットボールカジュアルブランドとして浸透したのも近年の話です。高品質の仕上げ、機能的なデザイン、すっきりとしたシルエットは多くの支持があり、一定の派閥からはVictorinoxがカジュアルブランドとしてStone Islandを倒すチャンスは十分にあると示唆する人もいるんだとか。そのほかに時計なども生産したりと物作りの技術の高さを誇ります。2017年にアパレル展開は終了しています。

 

6876

1995年に設立されたイギリスのファッションブランドです。ブランド名の数字の羅列は1968年のフランスの五月革命の年と、1976年のイギリスでパンクがブレイクした年に由来しているそうです。フットボールカジュアル シーンでは比較的新しいブランドですが、そのデザイン原則がフットボールカジュアルブランドと一致しているため、忠実なファン層を獲得しています。

 

The North Face

誰しもご存知であろうアメリカのアウトドアブランド"The North Face"。ブランドとしてフットボールカジュアルシーン浸透したきっかけは近年の話で、フーリガンが全身黒い服を纏うようになったことからだそうです。プレミアリーグの中継でも全身黒の服装をしたサポーターをよく見るとThe North Faceを着ていることが増えたように感じます。

 

実際には話し尽きないくらいにまだまだフットボールカジュアルとしてカテゴライズされているブランドがあります。そちらは今後の投稿やブログでご紹介していこうと思います。「だからこのブランド置いてたのか!」って感じで歴史と照らし合わせながら買い物を楽しんでもらえたら嬉しく思います。そしてそれぞれの自分に合ったスタイルを見つけてみてください。

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